子供と一緒に夏休み
**福島でLet's体験旅行**
部屋に戻ると誰もいなかった。
スリッパもない。
浴室からの帰りにもすれ違わなかったし通りがかりの売店やロビーでも見かけなかった。どこにいったのだろう。
窓から外を見下ろすと、いたいた、カナとレナとパパとで野の花を摘んだりトンボを追いかけたりしている。
窓から呼びかけると戻ってきて花を見せてくれた。
夕食は6時半。
食堂で食べるようになっていたが、行ってみると有り難いことに子ども連れの家族だけ別室の座敷に集められていた。
こういう気遣いは助かる。他の家族連れもそう思っているに違いない。
カナは子ども食。レナは添い寝幼児扱いなので食事は無い。
だから「どうしてレナの分だけ無いの?」とぐずぐず言いはするけれど、実際はカナとレナと合わせても、子ども一人分も食べやしない。カナは白いご飯は一人前食べるけど、他のものは少ししか食べようとしないし、レナに至ってはデザートだけあればいい様子。
だから子どもたちに食事をつけてももったいないだけなのだ。
料金の面からだけでなく、ほとんど箸をつけないなんて勿体なくて涙が出てくる。
だから今回のこの宿が6歳児まで食事抜きで受け付けてくれたのは本当に有り難かった。
天ぷらはちょっと冷めていたが、全体的に工夫もあって美味しく食べられた料理だった。
窓の外から入ってくる風の涼しさに、カナは「山の夏はもう終わったんだね」と言った。