那須の紅葉旅

5.稲刈り体験

　トイレに行ったり軍手をはめたりと準備をしていたら、すぐに受付の時間がやってきた。
　人数は6月の田植え体験の時より少し少ないだろうか。
　係りのおじさんの説明は簡単だ。
　鎌は引くと切れる。刈り取った稲は束ねて縛る。縛る紐は穂を刈った稲の藁が置いてあるからそれを使う。縛り方はこう・・・と教えてくれて、みんなすぐに圃場へ移動させられた。

　田植えの時と違ってもう田圃に水は入っていない。
　昨日はこちらも雨が降ったのか、端の方が少しぬかるんでいるがその程度だ。
　めいめい適当に刈り始めた。
　植えるときのように辛いことは無い。鎌の刃に気をつければ良いだけだ。
　それでもカナは最初はなかなか鎌を引くコツが判らなかったらしい。
　特に左手で稲を固定して、右手で鎌を使うというのが難しいようだ。
　「ママ、押さえていて」
　誰かに稲を押さえてもらわないと上手くいかない。
　「レナが押さえてあげるよ」
　レナは早々に鎌を使うのを諦めた。
　まあ、レナに鎌を使わせるのはまだ怖いし、それに彼女は左利きなので本気でやるとしたら左利き用の鎌でないと厳しいだろう。
　互いの要求が一致して、二人セットで稲刈りを続けることにしたようだ。
　結構ざくざくと真面目に刈り進んでいる。
　刈り取った穂がどんどん山積みになっていった。