11.美味しい温泉は誰のもの-あすか旅館
「次は同じ中山平でも単純泉にご案内しましょう」
屋代さんはとにかく案内する温泉をチョイスすることがまた楽しくて仕方ないようだ。
色、臭い、肌触り、それら温泉の特徴を単調にならないようにあえてバラエティ豊かに選んでいる。さらに各々の旅館の空いている時間帯などを見計らって案内してくれたので、ほとんどの旅館では貸切状態で入浴することができた。
個人でガイドブックなどを頼りに選んだのではとてもこうはいくまい。
「鳴子では、ほとんど掛け流しなので湯口にコップを置いているようなところはあちこちにありますが、きちんと保健所の飲泉許可を取り付けているところは一ヶ所しかありません。あすか旅館というところです」