21.ウワナベ古墳
ちなみにコナベ、ウワナベと言うのでそれぞれ小奈辺、宇和奈辺なる名前の皇族か豪族が存在したのかと思ったが、残念ながらこの二つの古墳は未だ主が不明なのだそうだ。
だから正確には小奈辺陵、宇和奈辺陵ではなく、小奈辺陵墓参考地、宇和奈辺陵墓参考地であり、以前はそれぞれ元明天皇と元正天皇の陵であるとされていたが現在では否定されている。
なんせ皇族のお墓かもしれないということで詳しい調査もあまりできないようなのだ。
小奈辺陵と宇和奈辺陵は古墳の周囲をぐるりと一周歩いて回れるようだが、まあ回ったところで上から見えるわけでも無いし、流石にかなり足が疲れていたので、鍵穴で言えば下だけど、古墳の上下で言えば上の直線部分の縁を歩いて、小奈辺陵から宇和奈辺陵へ移動することにした。
途中にコナベ陵、ウワナベ陵、磐之媛命陵の方角を示した申し訳程度の表示板が立っていた。
この道を歩いて驚いたのは、その二つの前方後円墳の間に瓦を乗せた高い白壁と、それが切れたところにものものしい警備の門が現れたことだった。
敷地の中は桜の花が満開。
ここは航空自衛隊の幹部候補生学校だった。