◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
大極殿の中は天井が高かった。
外から見てもだが、中に入っても何もかもがやたらと大きい。権威を感じる。
大極殿というのは朝廷の正殿。
第一次というのは最初に奈良に平城京ができた時点での大極殿だったから。
奈良時代を通して奈良に都があったわけではなく、一時的に恭仁京や難波京へ短期間の遷都が行われ、再び奈良に戻ってきたときに新たに作られた大極殿が第二次大極殿となる。
係り員以外がらんとしていたが、それでも第一次大極殿の中には少し観光客がいた。
唐の長安にあった含元殿をモデルに建造されたというこの建物の中央には高御座と呼ばれる天皇の玉座が一段高いところに設置されている。
高御座は八角形の筒状で正面だけが壁が無く垂れ幕のように布が下がっている。
天井は身舎天井板と呼ばれ、朱塗りの板が格子状に組まれて地の部分には全て蓮の花の文様が描かれている。
高御座の前に立ち、広い窓から正面を見ると、運動場のように何もない広場があり、遠くに朱雀門が見えた。
そうこうしているうちに4時を回って、係員が入り口を閉め始めた。
何となく居心地が悪くなり、わずかに残っていた観光客もぞろぞろと外に出た。