◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

7.芳魂庵は空っぽ

　金峯山寺を過ぎると道は比較的平坦になる。
　思えばロープウェイの山上駅を出て黒門を潜り銅の鳥居を潜る辺りまでが一番坂道がきつい。
　あの斜度ではとても距離を登れないと思っていたが、金峯山寺まで来ればかなり楽になった。

　金峯山寺の先も土産物屋が続く。
　道沿いに芳魂庵という甘味処があった。ここもレナのリストにあった店だ。
　一休みしようと中に入ったが、谷側にテラスを設けた和風テイストの洒落た畳敷きの店内は無人だった。
　もう開店時間は過ぎていると思うんだが、カウンターで声を掛けてみたが誰も出てこない。仕方がないので諦めた。

　平坦になったが狭い道は桜の季節に限り交通規制しているので車は通らない。
　昨日の夕方のひと気の無い様子が嘘のように、今は大勢の観光客が行き来している。
　東南院で枝垂桜と多宝塔を見学して、さらに進むと左手に石の鳥居が見えた。
　道が分岐している。直進がメインストリートで、鳥居を潜って左に曲がれば吉水神社。つまり吉野温泉元湯に向かう近道もこちらの方にあるはずだ。

　石の鳥居を潜ると凄い急坂の下り道。
　吉水神社も吉野観光の有名どころなので、坂は急だけど人も多い。