23.倭迹迹日百襲媛命と箸墓古墳を巡る伝説
名前がいっぱいあると言えば大神神社の主祭神である大物主神にも名前がいっぱいある。
最も知られている名は大国主神だが、他に大己貴命(おほなむち)、葦原色許男神(あしはらしこを)などさまざまな名がある。
この大物主神が三輪山の化身であり、箸墓古墳に眠るとされる孝霊天皇の皇女 倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)の悲劇の伝説に姿を現す。
やまとととひももそひめと箸墓古墳を巡る伝説はこうだ。
三輪山の大物主神と婚姻したひめは、夜にだけ現れる夫の姿を見たいと懇願し、ついに朝になったら櫛箱に入っているから見ても良いという許可を貰う。ただし決して驚いてはならないと(見てはならないではないんだね)。
そして明るくなって櫛箱を見た彼女は中にいるはずの夫が小さな美しい蛇の姿をしていることに驚く。
恥をかかされたと思った大物主神は怒って三輪山に帰ってしまい、ショックを受けたひめは箸が刺さって亡くなってしまう。
ひめの墓は箸墓古墳で、これまた不思議なことに昼は人が作り、夜は神が作ったとされている。
何故に夜は神が作ったのだろう。