◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
空は晴れている。
ホントに綺麗に晴れている。
寝不足はあまり感じなかった。朝のすっきりした感覚がみなぎっている。
JR奈良駅前は時間が早いこともあってほとんどひと気が無い。
赤いポストの上に寺院の伽藍のような飾りが乗せてあるのを見て写真を撮ったら、さっきレナもそれを撮っていたよとカナに笑われてしまった。
JR奈良駅東口を出てすぐ左手に白い立派な建物が建っている。
美術館か博物館かあるいは宗教施設のようにも見えるこの建物は奈良市総合観光案内所。ただし開館時間は朝9時から夜9時までなので、今はまだ閉まっている。
実はこの観光案内所は旧奈良駅なのだそうだ。今は奈良駅の駅舎は立て替えてえらく都会的でシンプルな、悪く言えばありきたりなデザインとなってしまっているが、以前はこのように古都の風情を持つ独特な建築物だった。
今もそのフォルムは観光案内所として活かされているが、駅も案内所も2010年の奈良遷都1300年記念事業に合わせて立て替えたりしたためかいかにも作り物めいてしまうのは致し方ないか。
この横を通って、さっき夜行高速バスを降りた停留所の横を通って、するとすぐに路線バスの乗り場がある。
バスに乗って春日大社に行ってみたいと思っている。
上と左下 奈良市総合観光案内所(旧JR奈良駅) 右下 奈良市内循環バスの電光路線図
まず奈良駅の説明をすると、奈良駅にはJR奈良駅と近鉄奈良駅の二つがあって、この二つの駅は中途半端に離れている。
直線距離にして900m。歩いて15~20分。東京の感覚だと地下鉄の駅1~2駅ぐらい離れているかなぁ。電車の乗り換えで使うにはあまりに不便で、とりあえず移動するなら路線バスを使うのが一般的なようだ。
近鉄奈良駅周辺の方が商店街などもあって賑わっていて、奈良公園方面の観光地にも徒歩5分程度で着く。まあ奈良公園周辺と言っても猛烈に広いので、その先どこに行くにもまたせっせと歩く又はバスを使う必要があるが。
そして今いるのがJR奈良駅の方だ。
東口駅前の路線バス乗り場にきて、最初にやってきたバスに「春日大社に行きますか?」と聞いてみた。
「このバスは行かないよ」と運転手の返答はあっさりしたもの。
しかし行き先を確認すると市内循環バスの一つだったので、もしかしてと思って質問を変えてみた。
「春日大社の参道には行きますか?」
別に春日大社の本殿の真ん前まで連れて行ってほしいわけではないのだ。
「それなら行くよ」
よし乗った。