1.初めての夜行高速バスの旅
初めて乗った夜行高速バス。
バス乗り場に着くまではすったもんだあったけど、とりあえず集合時間ちょうどに到着して、薄暗い駐車場の奥に待合室というか、どう見ても簡易建築って言うの? 雨風しのげればいいレベルの部屋があって、トイレと自販機があるだけの処に入った。
で、既に時間は来ていたからすぐに乗車になって、乗車は簡単。予約時に受け取ったメールを運転手に見せるだけ。
すると名簿をチェックして、一番後部座席のABCって言われた。
バスはがらがらで、時間通りに発車した。
トイレは通路の中央、乗り口から向かって左手にあり、数段の階段を降りたところ。下部の貨物室の奥だね。
トイレが付いていることに安心感はあったけど、何となくみんなが寝た後などには通路を通るのは迷惑な気がして行かれなかった。
座席には毛布代わりになるブランケットと、後から気付いたけどミネラルウォーターのペットボトルが用意されていた。
通路に向けて左右の座席はカーテンが閉められるようになっているが、真ん中の席だと両方の通路を遮るカーテンは無い。あと安全のためだと思うけど、カーテンは上の方がメッシュになっていて、あまりプライベート感は無い。
リクライニングは思ったほどではなかった。一番後部座席だったせいか、あるいはバスのスペースの限界なのか。
新宿駅を出たナイトライナーは、東京駅、横浜駅を経由して関西へ向かう。
走り出してから現在地を見てみようとスマホのマップを立ち上げたら、今度は普通にマップが表示された。
子供たちにもほら、と地図を見せたらレナがびっくりした声を上げた。
「ママ、ポケモンがいるよ。なんで?」
へ?
「ポケモンがいるから見せてくれたんじゃないの?」
確かによくよく見ると、マップのあちこちにポケモンがいる。なんじゃこりゃ。
検索してわかった。
エイプリルフールに合わせてgoogleが企画したのだ→
来たれ! 真のポケモンマスター マジで地図上のポケモン、モンスターボールで捕まえられるじゃん。なにこれ、可笑しい。
とりあえず消灯の時間まで子供たちとポケモンを探して遊ばせてもらった。
電気がついて無理やりに目が覚めさせられた。
あまり寝た気がしない。というか、ほとんどぐっすり寝てない。
時刻はまだ朝の5時過ぎで、空は薄暗い。
最初の停車場、京都に着くのだ。ぼんやりしていたので誰か降りたのか降りなかったのかよく判らなかったが、いたとしても1人2人。
このバスは京都、奈良、大阪と停まるので、大勢京都で降りると思っていた自分は拍子抜けした。
京都に比べて奈良はマイナーだと思うので、みんな大阪行きなのかな。
奈良までは再び消灯となったが、少しずつ空も明るくなってきたのでこの後はうとうとしては起きての繰り返しだった。
奈良到着はほぼ時刻表通りの6時20分過ぎ。
10人ちょっとしか乗っていない感じの乗客の多くが降車準備を始めたのは意外だった。
むしろ京都到着は早すぎるので敬遠されるのかな。5時半に放り出されても途方に暮れるが、奈良着の6時半なら日も昇っているし春日大社の門も6時から開いている(冬季は6時半)。