4.続・高速バス乗り場が見つからない
コンビニでスマホのマップを見せたが首をひねられる。ここで聞くよりこの先に交番があるからそこで聞いてみてと。
交番はもう一本先の道を渡った右だとコンビニの人は言った。
それを聞いた私はてっきり渡って直進し、その道の右手にあるのだとばかり思ったが、冷静なカナが路上の地図をちら見して交番の位置をしっかり確認していて、道を渡って右というのは右に曲がらなくちゃいけないという意味だと判断した。
思ったより交番までは距離があり、カナが確認していなかったら今度は交番を探して彷徨っていたかもしれないと青くなる。
やっと見つけた交番は無人で、でも交番の前の道に数人の警官がいて、何か交通整理のようなことをしていた。
「あのう、そこの交番が無人なのですが、道に迷ってしまって」
「いいよいいよ、ここにおまわりさんいっぱいいるから。で、どこかな」
「ここなんですけど」
スマホを出すとおまわりさんは別のおまわりさんを呼んで二人で地図を覗き込んだ。
「あー、こっちじゃないよ。えーとね、新宿駅の反対側。甲州街道を新宿駅を越えて左に曲がったところ」