13.ラーメン屋で締めくくり
店の暖簾を潜ったら、あれ、レナがいない。
駐車場に戻ってみると、何故かレナは車の後ろでかがんでいた。
「どうしたの?」
「石がサンダルに入ったみたい」
でもサンダルを脱がせても石は出てこなかった。
「足に棘がささっているのかな? 店の中で見てあげる」
でも足に棘が刺さっている様子も無かった。
ラーメンは普通のラーメンと塩ラーメンとタンメンを頼んだ。
普通のラーメンはカナが、塩ラーメンはママとレナが、タンメンはパパが食べた。
プールでよく運動した子供たちは食べる食べる。
カナはラーメンを一人でかなり食べ、残りはパパが食べた。
ママの塩ラーメンは途中でレナにほとんど奪われ、ママはパパのタンメンをもらって食べた。
ラーメン屋はなかなか見つからなかったけど、見つかった店が美味しい店で良かった。
帰りがけ、サンダルを履いたレナが「やっぱりまだ痛い」と言う。
脱がせて見てみたが、石は入っていないしレナの足にも石がついていたり棘がささっていたりしている様子は無い。
おかしいなぁとサンダルをなでると、確かに足が当たる部分にちくりととがったものが出ている。
「棘だ」
そう言うと、パパがとげ抜きを貸してくれた。
ところが引っ張っても引っ張ってもサンダルから飛び出した棘は抜けない。
もしかして、と、パパがサンダルを裏返してみんなで唖然・・・。
サンダルには下から思いっきり画鋲が刺さっていた。
「これじゃ痛いわけだよ」