8.誕生日の人形劇
ランタンに火を入れて、一日の最後は子供たちの人形劇。
何がいいかと聞かれて、ハム太郎のスノープリンセスの話と答えたら、昼間から台詞の練習などしていたらしい。
小指ほどの人形たちをならべて、前口上から始まり、一応映画のストーリー通り話は進んでいく。
カナは真面目に台詞もひとつひとつしゃべらせたいのだが、レナは脱線したくてしょっちゅう混ぜっ返す。
途中で何度か喧嘩もあったが、なんとか最後まで終わらせることができた。
終わる頃には二人とも息絶え絶えで、すっかり誕生日のプレゼントであることも忘れてしまったみたいだった。