◇◆信州高山温泉郷で夏休み◆◇
その後がっちゃんが私を呼びに来た。
「ねぇ、ちょっとここ開けてみてよ」
厨房のドアを指さして言う。
「えっ、なになに? 何があるの?」
なーんかやだなと思いながらそこを開けると、yuko_nekoさんがくさやをほぐしていた。
「臭う?」
「いや、大丈夫」
厨房の中に入る。思ったより臭わない。
がっちゃんも恐る恐る入ってきた。
好みの似ているがっちゃんも、くさやの臭いは駄目なのだ。
そして大人四人は完全に厨房を我が物顔で占拠して、調理台につまみや飲物を置いて飲み始めた。
ちょっと飲物のお代わりを取ろうと私が席を立って冷蔵庫の方に行くと、
「うっ・・・く、くさ~っっっ!!」
ちょうどその辺りに臭いが貯まっていた。
やっぱりくさや、耐えられない~。
でもパパもyuko_nekoさんも平気な顔で美味しい美味しいとその腐りまくった魚のほぐし身を口に運び、最後はお茶漬けにまで入れて食べていた。
クサヤはこっちだ! ・・・うー、画像見ただけで臭ってきそう
パパが自家製すいとんをがっちゃんによそった。
「あっ、スープだけでいいです」
その後私もすいとんをもらう。
「私もスープだけで・・・すいとん以外の具はOKだけど」
「お前もか!!」
怖いくらい私とがっちゃんは似ている。
「やっぱよしかさん、すいとん嫌い? あのぐにゃぐにゃして味もないのがどうもね。ほうとうも嫌い?」とがっちゃん。
「いや、ほうとうは・・・でも厚いほうとうは嫌いかも」と私。ほうとうも麺以外は大好きだし。麺は普通。できれば薄く切ってあるのがいい。
「何言ってんの、すいとん美味しいじゃない。大好き」
yuko_nekoさんは反論する。
パパももちろんすいとん好き。
流石に子供たちは厨房で食べさせるわけにはいかず、部屋で食べさせた。
今夜も雨が上がった後は花火。
楽しい旅行も明日で終わり。
夏休みももうじき終わり。
涼しい風が吹き抜けると、もう山には秋が近い。