2.雪に埋もれた鳥居
人一人やっと通れるぐらいの狭い雪の階段ができている。
確かに昼間は無かった。夕方に人力で作られたのだ。
登り出すとすぐにそれは狭い坂道になった。雪が深く柔らかいので、うっかり道を踏み外すと雪に埋まってしまいそうだ。
振り返ると・・・あっ、一人踏み外して埋まっている。
前方から灯りが近づいてくるのが見えた。
それはお宮から戻ってくる一人の男性だった。
「今からお参り? ちょうど閉めちゃったところだよ」
し、閉めた!?
閉まっちゃったの?
「でもとりあえず行ってみます」
とほほ。本当に集落の人がみんなお参り終えたら終わりってことなのね。
遅すぎたか。
行きは酔い酔い・・・じゃないや良い良い帰りは怖い。
細い道を辿り斜面を登りながら、下りは滑りそうで怖いなぁと思った。
去年よりサバイバルな初詣だ。
足下は踏み固められてはいるものの、時々ずぼっと靴が埋まる。
途中でぼうっと光っているところがあると思ったら、雪を掘って蝋燭を差してあった。
いつの間にか先頭を歩くパパの手にも蝋燭。
さてはどこかから引き抜いたな、バチが当たるかも。