◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
10分は待たなかった。5分も掛からなかったかな。水色の袴の神主が現れて天岩戸伝説について語りながら手水場を経て先ほど拝んだ本殿前まで全員を導いた。
「ご参拝がまだの方はお済ませください」
私たちは既にさっき済ませていたのでそのまま右手の小さな扉の前に立った。私たち以外は全員その場で本殿に参拝していた。
全員揃ったところで神主は大きい方の扉の前に封印のように置かれた大幣で遥拝希望者をお祓いすると、小さい方の扉を開けた。
この先は神域なので撮影は禁じているとのこと。
この奥に天岩戸があるが、入るのはここではなくこの右にある小さな扉。なお、入る前にこの扉の前に置かれている紙垂で清める。
かなり歩くのかと思ったら、遥拝所は本殿のすぐ後ろだった。本殿と背中合わせの位置にぐるりと半周する通路が作られていて、ちょうど本殿の背後の岩戸川と対岸の崖を臨むようになっていた。
屋根が張り出していて、上をご覧下さいと指示されて、見ると軒に斜め平行に拍子木のような板が並んでいるのが目に入る。
「この板と平行になるようにお立ちになり、正面の窪みの所が天岩戸でございます」
うーん、あれ、かな?
がけ崩れもあって既に当時の姿はとどめていないとの事で、あれがそうだと言われればそうなのかなと曖昧に肯く感じ。
ただここが神域と言うのは判る。神々のいた伝説の場所として今も森や川が力を持っているように感じる。
遥拝はあっという間で本殿の後ろを回ってまた元の場所に戻ってきた。
パパが昔は写真も撮れたような気がするなぁとつぶやいた。
彼は熊本に住んでいた時にここも来ている。随分前のことだからどんなふうだったかおまり覚えていないと言っていたが。