◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
銀閣寺もまた通称で、正式名称は東山慈照寺という。
金閣寺同様、臨済宗相国寺の山外(境外)塔頭で世界遺産にも登録されている。
日本史の授業では室町幕府の8代将軍 足利義政が建てさせた東山文化を代表する書院造の建築物と教えられ、金閣寺が本当に金箔を貼った黄金色の外壁であるのに対し、銀閣寺は別段銀色をしていないことを知る。
金閣・銀閣は並び称されるだけでなく両方とも相国寺の塔頭であることから、管理は相国寺が共通で行っている。
そのことは拝観料を払って渡されるお札状のチケットでも見て取れる。双子のようによく似ている。
門を潜って中に入ると銀沙灘という白砂を綺麗に二本線のストライプに模様を付けた足元の奥にそれはそれは立派な松の木があった。
ここはまだ庭園の中ではないが銀閣寺垣と呼ばれる通路で、庫裏の前を通ってから庭園の中に入る。
方丈の建物の向かいに先ほどよりずっと広い銀沙灘が敷かれており、その奥に錦鏡池、さらに錦鏡池から石の小橋を掛けた先に既に写真でよく知っている観音堂こと銀閣が建っていた。屋根の上には羽を広げ胸を張る鳳凰が。
子供たちにしてみれば流石に金ぴか金閣ほどのインパクトは無かったものの、銀沙灘の中にどーんとそびえる白いプリンみたいな物体が気になって仕方ないもよう。
このプリン状の盛り砂は向月台と呼ばれこの上に座り東山に昇る月を待ったという俗説もあるが、波間の月光を表すかのような銀沙灘とあわせてその本当の目的や意味するところは謎に包まれているようである。
私は何だか子供のころに読んだ本のヨーロッパの妖精を呼ぶ方法を思い出した。うろおぼえの記憶によれば、砂を山に盛って頂上を鏡で平らにならせば夜中に妖精が来て足跡を付けていくとあったような気がする。
この銀閣の向月台に座り月夜に足跡を残すとしたらどんな存在だろう。神か仏か鬼か天狗か・・・。