キッザニア X キッザニア 匠フェアで和紙職人

*08*



レナが何時までも戻ってこないのでテレビ局に戻り、スタジオの中をのぞいてみると、渡されたタイマーはとっくに時間切れになっているのに、どのタイミングで出たら良いのか判らずおろおろとしていた。
「だって勝手に出ていいか判らなかったんだもん」

とにかく彼女を新聞社に戻らせると、まだ中ではカナともう一人がこつこつ作業をしていた。

以前は新聞社の体験時間の目安は50分となっていたが、今は40分と看板の表記が変わっている。
ここは比較的時間の掛かるパビリオンの一つだが、個人作業なので早く終わる子供は早く終わる。



7時56分にカナが終わった。
時間も時間だから、カナにはレナの終了を待たずに出てこいと伝えてある。

閉園まであと1時間ほどしか無い。
うーん・・・下手な周り方をすればあと1つ、上手に回ってもあと1つ(笑)。
明らかに空いていてすぐ始まるところに入った後に、スポーツクラブか理容店かレンタカーにタイミング良く入れれば奇跡的に二つできるかもしれないという時間帯。

とにかく今がそんな状況であることをカナに伝えた。

カナは中央広場に出て辺りをきょろきょろと見回して・・・テレビ局の次の回にまだ入れそうなのを見つけた。

さっきレナが取材したばかりのテレビ局で聞いてみると、10分程度で次の回が始まるという。
カナはしばらくテレビ局をやっていなかったので、ここに並ぶことにした。
並ぶときに「今ならお天気キャスターとインタビュアーが残っているのでどちらかを選んでほしい」と聞かれた。
カナはお天気キャスターを選んだ。
スーパーバイザーの手にしているシートをのぞきこむと、もう既に並んでいる5人の子供の名前が書かれていたが、そこにはスタッフが無かった。

・・・?
さっきの話だと、スタッフも先着順のハズだけど??



テレビ局の札を受け取ってから、カナはトイレに行った。
カナとはトイレのところで別れて、私はレナの新聞社に戻ることにした。

8時になって時報が鳴り響き、中央広場のバルコニーでは街時計のパフォーマーたちがダンスを繰り広げた。

そしてそれとともにレナの新聞社の仕事も終わった。
取材に長引いた割には早く入力ができたじゃないと思ったが、彼女の記事は時間に比例した短いもので、えっ、これだけなの? という感じ。
5年生のカナは起承転結のあるちゃんとした記事を書いていたんだけどなぁ。姉が先に出ていってしまったので、レナとしては焦りもあったのかもしれない。

「カナは今、テレビ局に並んでいるよ。さっきあと3人ぐらい空きがあったから、もしかしたらまだ入れるかも。



それを聞くと、レナは大慌てでテレビ局へ向かった。

流石にさっき取材したばかりなので、もう道に迷うことは無かった。

そしてかなり焦りながらテレビ局担当のスーパーバイザーを捕まえて、まだ入れますかと聞いた。

するとスーパーバイザーは怪訝そうな顔をした。

そこへトイレからカナが戻ってきた。

おんなじ髪型。
おんなじ服の二人を見て、スーパーバイザーは鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。

「えええっ??」

並んでみれば顔も身長も違うのだが、スーパーバイザーはカナとレナを間違えていて、レナが来たとき何でさっき並んだはずの子がこんなことを聞くのだろうと不思議に思い、さらにカナが戻ってきたのを見て、一人が二人に分裂したように仰天したらしい。




カナとレナがおなか空いたと言っていたので、慌ててモスバーガーに駆け込んだ。
モスバーガーの営業時間は8時半まで。
そして、最後の20分はドリンク・デザートのみだから、バーガーやポテトを買おうとしたら8時10分までに受け付けないといけない。

時計を見たら8時10分。
今日も滑り込みだったー。
カナの後に来た子でインタビュアーは揃ったようで、テレビ局の最後に一人に並んだレナは自動的にお天気キャスターに決まった。
レナとしてもカナと一緒にできるので嬉しかったようだ。

そこまで全員が決まったところで、スーパーバイザーは今度はスタッフの希望を募った。

なんと、スタッフはアナウンサーと同列ではなく、まずアナウンサーを全て決めて、その後に並んだ順にスタッフに転向するかを聞いていくようだ。
(でもそうしたら、最初にアナウンサーを振り分けたときの人数が合わないような気がするし、誰もスタッフに立候補しなかったらどうするんだろう? ここは聞きそびれた)

おお、これはチャンスだぞ、と私は思った。
カナやレナにも未体験のスタッフをやるチャンスが回ってくるかも。

過去、カナもレナもテレビ局ではキャスターしかやったことがない。
お天気キャスターも未体験ではあるが、お仕事カードはアナウンサーで共通のはずだ。
だいいち、以前くじ引きでキャスターに決まったときも、二人とも本当はテレビカメラマンの方がやりたかったと言っていたはず。

しかし意外とこの回のスタッフの人気は無く、順番に聞いていく中で誰も立候補しなかった。
カナとレナも一緒にお天気キャスターがやりたいからと、せっかく最後に並んだレナまでチャンスがあったのに、断ってしまった。

すると、並んでいた女の子の一人が、テレビ局を降りたいと言いだした。
スーパーバイザーは残念だけどと、その子の札を受け取った。

そして、たまたまその後にやってきた女の子が自動的にスタッフに決定した。
スタッフをやりたいとずっと思っている子供たちも多いのに、こんなこともあるのだ。



そろそろ多くのパビリオンが最後の回までメンバーが決まり、募集を終了する時間帯。

8時4〜5分に大通りのめぼしいパビリオンを見て回った段階では、お菓子工場、キャビンアテンダント、パイロットが募集終了。パン工場、ボトリング工場、食品開発センター、和紙工房、花屋等は募集継続中。
7分頃はガードマン、ピザ、ソフトクリームが既に終了。
10分頃にさっきは募集していたハンバーガーショップが、16分頃に和紙工房とビューティーサロンと料理スタジオが終了していた。

また、最近バスガイドの募集終了が早いなぁと思っていたら、終盤の半端な時間はもうガイドを募集せず、スーパーバイザーがガイドをしながら、バスのお客さん役の子供たちを効率よく回していた。

なるほどねぇ。ぎりぎりまで楽しませるためにいろんな工夫があるなぁ。




そろそろテレビ局でもリハーサルが始まる

後ろ姿はディレクターの子供。この仕事、初めて見た。



テレビ局の流れは、練習、リハーサル、本番。
そして番組の流れは、キャスターの挨拶、リポーターによるキッザニア紹介、お天気キャスターによる世界のお天気、CMを挟んで、インタビュアーによる観客へのインタビューだ。

以前はリポーターが必ず紹介していた、キッザニアデパートの目玉商品エコ定規の話は、生産終了になってしばらく経つので無くなった。

世界のお天気は今回は、ドイツ、ブラジル、ハワイの天気。

私は今回初めてインタビューされる側になったので、ドキドキだった。





初めて見たディレクターのお仕事は、キャスターの台詞が書かれている紙を捲ったり、観客に拍手の合図をしたりすることだった。

最初にあまりテレビに映らない役ですと言われていたっけ。
でも最後の挨拶などあるので全然映らないわけではない。

テレビ局の体験時間は長めで、二人がリハーサルしている間に外からパレードの音楽が聞こえてきたし、本番している間には、なんと閉園を知らせる街時計のキッザニアフォーエバーが聞こえてきた。

大丈夫かー?
かなり押しているぞー。

こりゃ間違いなく時間オーバーだ。
でもオーバーしても慌てさせない、ちゃんと焦らずやることはやるのがキッザニア。





テレビ局のお仕事が完全に終わって出てきたのが9時11分。

この時点で既に10分以上閉園をオーバーしているのだが、テレビ局スーパーバイザーは、完成した番組をテレビ局外のモニターで見ていって下さいと言ってくれたので、私たちはモニター前の席に陣取って、さっき買っておいたモスバーガーを食べながら見ることにした。

流石に時間が時間なので、番組を見ていったのは私たちともう一組の家族ぐらいだった。
全部終わる前には食事も食べ終えて、でも気がつくとどうやらお客さんはもう誰もいないみたい。

後片づけをするスーパーバイザーの他は、がらんとしたキッザニアの大通り。

さっきまであんなに大勢の子供や大人がいたのが嘘のようだね。
さあ私たちも帰ろう。
またね。


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