*06*
レナはデパートに行くと言った。 カナはもう既にパパとの約束のショッピングを終えているが、レナはまだだ。 それにレナはもう一つ買わなくてはならないものがある。 それは姉のお箸。 今まで2回(今日も含めれば3回)、姉のカナにキッザニアデパートでプレゼントを買ってもらっているレナは、今回姉にお箸をプレゼントする約束になっている。 カナのお箸が壊れてしまったので。 |
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レナがデパートでショッピングしている間にカナの次の仕事を探す。 通りを半周して、適当なパビリオンが見つからなかった私たちは今日初めて2階へ上がった。 えーと時間は6時34分。 もしかしたらあと1分で始まる街時計に空きがあるかも。 そう言うとカナは街時計のスーパーバイザーを見つけて声を掛けた。 「OKだって!」 カナはまた、ほぼ待ち時間ゼロで街時計に入っていった。 一方、パパのためのスーパーecoレインボー鉛筆と、姉のためのハイビスカス柄のお箸を買い終えたレナは、青ざめてデパートを出てきた。 「ママ、大変、e-キッゾカードの残高がゼロになっちゃったー」 半泣きだ。 どうやらショッピングを終えたらカードを使い切り、その上財布に入っていたトラベラーズチェックや現金まで使ったらしい。 彼女は頼まれたeco鉛筆とお箸の他、可愛いタオルハンカチがあったからとこれもカナのために買っていた。 ちなみにe-キッゾカードというのはキッゾ専用の電子マネーカードで、キッザニア東京のパビリオンであるクレジットカードセンターで作ることができる。 「お金無いよ」 「じゃ、働きなさい」 資本主義の原理だ。 レナはまたまた空港にパイロットの待ち時間を聞きに行った。 |
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あんまり焦っていたので、私はすぐ入れそうなトラベルセンターを紹介したのだが、レナは首を横に振る。 トラベルセンターの特集国はタイだが、まもなくニュージーランドに変わることが決まっている。 レナはスイス時代にここで仕事をしたことがあるが、タイはまだのはずだ。 今を逃すともうタイのプランを組む仕事はできなくなる。 でもレナは今はトラベルセンターの気分じゃないのだそうだ。 そして自ら聞きに行ったパイロットの待ち時間もまたもや希望には沿わなかったらしい。 レナは今度は二度目のビューティーサロンへ行った。 くどくどと長い台詞を聞いた後、とにかくメイクアップのお仕事なら20分程度でできることが判った。 「但し、お客さんが来ないと待ち時間が長くなる可能性があります」とスーパーバイザーは付け加えた。 |
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今日ぐらい混んでいれば、まずお客さんが来なくて長時間待たされることはないだろうと私はふんだ。 但し・・・メイクアップだよ、いいの、レナ? ビューティーサロンにはさっきも書いたけどメイクアップ、ヘアメイク、ネイル、プチエステの四種類の仕事があって、それぞれ店員と客を募集する。 客のおしごとカードは共通だが、店員のお仕事カードはそれぞれ違う。 だからある意味、このビューティーサロン店員のおしごとカードをコンプリートするのはテレビ局・裁判所と並んで難しい(いつも全ての仕事を募集しているとは限らないし)。 いや、カードに拘らずとも、どうせなら違う仕事を体験した方が楽しいだろうし。 残念ながら過去レナが唯一ビューティーサロン店員をしたことがあるのはメイクアップだった。 「またメイクアップだよ、いいの?」 「いいのッ、お金稼ぐためなんだからッ」 やけに焦りながら中に入っていくレナ。 「カナには内緒だよ! レナのお金がもう無くなっちゃったことは言っちゃ駄目だからねっ」 あっ、それについては言いたいことがあるんだけど・・・まあいっか。 |
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また何だかふてくされた顔でレナは待っていた。 ちょっと彼女の(レンタルした)携帯に電話してみた。 するとブチッ。 切られてしまった。 もう一度。 ブチッ。 またまた切られてしまった。 こんちくちょ〜。 |
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本人ドア越しに顔を見られないように後ろを向いてしまったが、なんの、奥の鏡に全部映ってるぞ。 ふふふ。 気づいてないだろ〜。 |
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その頃カナは2階で街時計のダンス練習中。 この回の街時計に2歳の男の子が混じっていた。 親と離れるのはもしかしてキッザニアが初めて? どうしても耐えられなくて大泣きになってしまった。 ドアの外で両親がベビーカー押して待っていた。 お母さんに抱っこされたとたんに笑顔。 キッザニアは2歳から体験できることになっているが、やっぱり2歳ではなかなか難しいときもあると思う。 2〜3歳の子供とキッザニアを楽しもうと思ったら、最初の一回はほとんどできなかったとしても構わないと思うくらいの覚悟が必要かも。 とにかく仕事の内容よりも、親と離れて知らない人と一緒にいられるかというのが一番のポイントだと思う。 ここクリアできたら2歳でも、結構いろんなお仕事できるかもね。 |
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マンガ家体験できる出版社。 これもビルメンテナンスの情報と一緒にびぐさんに教えてもらったのだが、看板の定員が4〜6名ではなく10名に書き換えられている。 もしかして私が指摘したから?(笑)。 |
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おおっとビックリ、いつもがらがらの理容店に5人もお客さんがいる。 こんなの初めて見た。 さっき、キャビンアテンダントやパン工場が空いているときに、科学研究所が定員以上並んでいたりしたけど、確かにはるかママさんに教えてもらったとおり、今日は意外なところが混んでいて、意外なところが空いている傾向がある。 ところで以前はこの理容店でよくゴンベさんというスーパーバイザーさんを目にしたのだが、ここ数回姿を見ない。 どこにいらっしゃるのかな? と思ったら、デリカテッセンのレジにいらした。 「あれ? 理容店はいいんですか?」 「弟子が頑張っていますので」 ゴンベさん、師匠だったのか〜。 |
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キッザニア体験レポ 夏の終わりのキッザニア7へ続く
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