*3/7*
カナのインストラクターは少し予定時間をオーバーしていた。 終わったのは4時37分。 30分前後のお仕事はもうほとんど2回目をスタートさせているだろうから、ここはじたばたしてもしょうがない。 彼女は2階のパビリオンはかなり体験済みだから、1階に降りてみた。 「何がやりたい?」と聞きながらデパートの前まで来ると、おや、デパートに並んでいるのが一人だけみたいだ。 カナは前回デパート販売員も希望していた。 でもなかなか担当のスーパーバイザーがデパートの外に出てきてくれず、カナは本当に次の回に入れるのかやきもきしながら待っていた。 デパート店員は初回がディスプレイ担当で4名、2回目からはレジ担当で2名になる。 2名と募集人数が少ないので、もし並んでいる子供が一人でもトイレなどで席を外していたら、あっと言う間に定員オーバー。 次回に入れると思うから並んだ訳で、もし次回のそのまた次回になると後から判れば、並んだ時間を損してしまう。 |
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心配はなかったようだ。 しばらくしてスーパーバイザーが出てきて、彼女の首に番号が書かれていない黄色い紐の待ち札を掛けた。 さらにメモを取りだしてカナの名前を書いた。順番待ちのリストのようだ。 今までこんなのあったっけ? 確かにソフトクリームショップで体験料を払うときリストに名前を書いていた。でも他では見なかったような。 だけどこの日は他でもこのリストを見かけた。 もしかしたら順番待ちのトラブルを避けるため導入したのかもしれない。 ところでカナのデパート受付が終わって直ぐ、カナの前から並んでいた女の子が待ち札をお母さんに預けて消えてしまった。トイレに行ったのだと思われる。 このときスーパーバイザーはデパートの中に入っていて見ていなかった。 そしてその子が戻って来る前に、小さい女の子がお父さんとやってきて、新たにデパートの受付を済ませた。 カナは不安な面もちで私に尋ねた。 「ねぇ・・・トイレに行くときはお姉さん(スーパーバイザー)に言わないといけないんだよね。あの子、どうなるの? それに戻ってきたら今来た小さい子はどうなるの? 私はトイレに行くって言わずに列を抜けたら後回しになると思うんだけど・・・」 最初から並んでいた子の待ち札が緑で、自分と後から来た小さい子の待ち札が同じ黄色だったこともカナの不安に拍車を掛けた。 |
はとバスの観光バス 今日は男の子のバスガイドも沢山いたよ |
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カナが並んでいる間にレナの様子を見に行った。 レナは1時間待ちだからまだまだのはず。 案の定、病院入り口からのぞくと正面のベンチに座っているのが見えた。 あっ、禁止していたはずのDS(ポータブルゲーム機)をやっている。 「こらっ!!」 ハッとこちらに気づいて鞄の中にしまう。 「キッザニアの中で並んでいるときはDSは禁止って言ったでしょ!!」 私は往復の電車の中や入場前に並んでいるときはDSをやって良いと言っているが、キッザニアの中に入ったらキッザニアを100%楽しむためにDSを禁じている。 また、自分の荷物は自分で持つという方針から、DSは本人たちに持たせている(入場前並んでいるときぎりぎりまでやっているのでなければロッカーにしまってしまうのだが)。 お仕事待ちの間、他にもDSをやっている子は沢山いて、この後カナが並んだパビリオンではカナ以外全員がDSを開いていたし、大混雑のお菓子工場など見に行くと、相当な割合の子供がDSを開いている。 気持ちは判る。 10分待ちならまだしも2時間待ちと言われたら・・・。 でも、頭はそんなに簡単には切り替わらない。 キッザニアに来たらもっとキッザニアを楽しもうよ。 そして待ち時間が生じるのは仕方ないと思うから、キッザニア側にももっと待ち時間の工夫をしてほしい。 |
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4時57分。 前の子供たちが終わり、スーパーバイザーが次のメンバーを呼びに出てきた。 名前を呼ばれたのはカナと最初から並んでいた子だった。 その子ももうトイレから戻ってきている。 カナは私の袖を引っ張る。 「どうしよう。本当にこれでいいの?」 「気になるなら自分からお姉さんに聞いてみなさい」 「・・・」 でも聞く勇気はないようだ。 納得のいかない顔をしているカナに気づき、スーパーバイザーは言った。 「どうしましたか?」 「・・・カナ、さっき名前を書いたでしょ。あれで順番は決まったんだと思うよ。後から来た子は次の回になる」 待ち札の色が違ったのはたまたまなのだろう。 そして私やカナには聞こえなかったが、たぶん後から来た小さい子は大人しく待っているところを見ると最初から次の次の回になると説明を受けていたようだ。 カナが心配しただけでトラブルは無かった。 |
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デパート販売員の仕事は、まず挨拶の仕方など教わる。 お客さんが来たら「いらっしゃいませ」。 お買い物をしてくれたら一人がレジを打ち、もう一人が袋に入れてあげる。 お客さんがいないときは商品の勉強をしたり補充をしたりする。 カナの時も実際に買い物をしてくれたお客様は一人だけだったそうだ。 前後に何人も買い物をしている子供がいたので、もうちょっとタイミングが合えばなぁと残念。 なお、人気だったエコ定規は既に生産終了。 現在は、本当に回転する回転寿司が乗ったボールペンが人気だが、この日は売り切れだった。 カナたちがレジを担当しているときに買い物をしてくれたお客さんは、なんと奮発して500キッゾもする玩具を買っていったそうだ。 玩具っていうのは・・・ほら、なんて言うんだろう、ラケットに面ファスナーがついていて、ボールがくっつくようになっているやつ。 |
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カナがデパート販売員体験中、何度もレナの様子を見に行くが、もうとっくに奥の方に入ってしまって並んでいる場所も判らない。 ようやく前の回の子供たちが終わって、無人になった内視鏡手術室にレナたちの荷物の入った籠が置かれた。 どうやら姿は見えないものの、もうユニフォームに着替えて説明を受けているのではないかと思われる。 それでも本人はなかなか姿を現さない。 そうこうしているうちにカナのデパートの仕事が終わってしまった。 |
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カナを連れて特に目的もなく食べ物関係のパビリオンが並ぶ通りへ向かった。 おや、科学研究所の並ぶベンチが空っぽだ。 「研究所、やってみようかな」とカナ。 ここは白衣を着て菌の研究をする場所で、レナは体験済みだがカナは未体験だ。 でもベンチが空と言うことは、前の回のメンバーは中に入ったばかりだ。確実に30分待ちになる。 もっといいところは無いかな・・・。 おっ、料理スタジオが二人しか並んでいない。 ここは2グループが時間差でお仕事するから回転が良いはず。 「たぶん15分ぐらいで入れると思うよ」 「うん、ここ、やってみる」 カナが並ぶとぱたぱたと定員を一人オーバーするところまで列が伸びた。 右の画像は携帯電話ショップの携帯検定。 よく見えないと思うがデカケータイの画面には上から「スタート」「初級」と書いてある。 |
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急いで病院パビリオンに戻ると、ちょうどレナたちが手術室に入ったところだった。 前の前の回に小さな男の子がいて、踏み台を用意してもらっていた。 この回はレナともう一人の女の子も小柄だったので二人とも踏み台だ。 手術室は二ヶ所で扇風機が稼働していて、レナはかなり寒かったと言っていた。 内視鏡手術は並ぶときに「内臓を見て気持ち悪くならないですか」と聞かれていたが、噂に違わずめちゃくちゃリアル。 「あのね、胆嚢の手術をしたんだよ。胆嚢は油を消化するときに使われる臓器で、結石ができると痛いんだよ」 ・・・小学三年生の言葉とは思えない(笑)。 「それでね、緑のマークしてあるところを切るの。もう一人の子が切りやすいように持ち上げる係りで、レナは切る係りだった。切るときはこうやって、ちょきんと・・・じゃなかった、レーザーで焼き切るの」 はぁ、「ちょきん」と切るんじゃなくて「レーザーで」ね、ほうほう。 なお、最後の画像の手の平を内側に向けたポーズは「医者のポーズ」なんだそうだ。 |
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