*7/7*
7時49分。 四人の中で一番速く終わりそうなのがカナだ。 パン工場の中で割烹着を脱いで終わりの準備をしている。 その横で私はすぐ近くのテレビ局の人数を数えている。 いち、に、さん・・・8人。 確か定員は10人、もう主だったパビリオンが次々募集終了の看板を出している中、最後にテレビ局に滑り込めれば大ラッキーだ。 やきもきしながらパン屋の給料支払いを見ていると、8人くらいの幼稚園児を連れたグループがやってきた。テレビ局を見てあれやこれやと言っている。 と、そこへスーパーバイザーが出てきた。 「あと二人だけなら入れます」 グループの子供達はみんな一緒でやりたいと口々に言って親を見上げる。でも親たちはもう全員で体験できるお仕事は残っていないことを知っている。 「バラバラでもいいからやりたい子がやりなよ、じゃんけんで決めてもいいから」 そこへようやくカナが出てきた。子供達はまだもめている。 ・・・。 ようやく二人が選出され、残りは違う仕事を探すことになった。十人の定員が埋まり、スーパーバイザーはカナに「ごめんね」と言った。 ああ、あとほんの10秒早かったら・・・これがキッザニアというものだね。 |
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「もうお仕事無いの?」 「・・・テレビ局が駄目ならラジオ局へ行ってみよう」 その足でラジオ局へ向かう。時間割が張り出されなくなった今、ラジオ局はどんなスケジュールで動いているかさっぱり判らない。 ラジオ局の階段を上っていると、ちょうど上から何人かの人が降りてきた。もしかしたら前の組が終わったところなのかも。果たして順番待ちの人数は!? ラジオ局の待ちは、階段を上ってちょっと奥まったところだ。 私が目で並んでいる人数を数えていると、ちょうど一番手前で並んでいた女の子が私を見上げて「あと二人入れますよ」と教えてくれた。 ありがとー。 その瞬間ドアが開いて、子供達は中へ招き入れられた。 カナも一緒に。 テレビ局では運がなかったと思ったけど、まだカナの運は尽きていなかった。 |
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ちなみにラジオ局の残りの定員はスタート直前にもう一人滑り込んできて埋まったそうだ。 またその時点ではあと一回募集があるような話だったが、実際はカナの回が微妙な時間に終わったことと、募集があるのか無いのか判らない子供達が、来ても並ぼうとしなかったのか、カナの回が終わる直前に「募集終了」の看板が出され、結局カナの回が最終回となった。 カナが決まって2分後にレナのカメラマンが終わる。 カナの時点でもう時間的に仕事が限られると思った私は彼女を真っ直ぐ車関係の所に連れていった。ここはまだ何も終了の看板が出ていない。 但し免許とレンタカーの両方を行う時間は残されていないらしく、レンタカーは既に免許を持っている人のみ受け付けていた。 レナはガソリンスタンドのみ体験済みだったので、それ以外のお仕事の待ち時間を聞いて自分で選んでご覧と送り出した。 |
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私はてっきり彼女がタイヤ交換などのカーライフサポートセンターを選ぶとばかり思っていたのだが、彼女が選んだのは「車を売るお仕事」すなわちカーディーラーだった。 ちょうど車関係の入り口でレナの前に並んでいた二人の子供もカーディーラーを選んだので、5分待ちで三人でお仕事ができることになった。 男の子はグレーの、女の子は赤いパイピングの白いブレザーを着て、挨拶などの接客を習い、それから売るために自分たちが説明する車の勉強をする。 車はパジェロとランサーエボリューション。各車の最高速度や特色も暗記する。実際に車のハンドルなどいろいろ動かしてみる。 「どうしてパジェロの車高が高いかママ知ってる? 岩だらけの道も走れるようにだよ」とレナ。 |
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その後、実際にお客さんを案内して車のセールスをするのだが、私はカナのラジオ局と行ったり来たりしていたので、後で「ママがいたら案内してあげたのに」と言われてしまった。 他の子のお母さんは案内してもらったようで、最後にどちらの車が気に入ったか聞き、さらにその車のどこが気に入ったかもきちんと聞いたという。スポンサーの三菱自動車にとっても市場調査になっていたりして。 一通り接客が終わると今度は車の宣伝ちらし?を作成する。レナのはメタリックブルーのパジェロだった。車と色とオプションは自分で選べる。 ちなみにこうして作業している間にも、次々ガソリンスタンド、カーライフサポートセンターのお仕事は募集を終了した。レナが終わる頃にはカーディーラーも募集終了した。 |
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レナがカーディーラーの仕事に入った頃、SちゃんYちゃんのビジネススクールも終了した。 ちょうど時間は8時になったところ。閉園1時間前。ここで考えなきゃいけないのは夕食のこと。 えーと、SちゃんYちゃんは料理教室で作ったおにぎりがあるし、カナはパン工場で作ったクロワッサンがある。でももちろんそれでは足りない。Sちゃんママとレナと私は何も食べていない。 さっきデリカテッセンは覗いてみたが、平たいプラスチックケースに入ったお弁当的なものばかりで、ミニ寿司やサンドイッチのようにテーブルが無くても食べられそうなものは売っていなかった(売り切れたのか今日は最初からなのかは判らない)。 となると、モスバーガーかピザーラで調達するしかない。モスバーガーの食べ物販売は8時10分までだ(飲物だけは8時30分まで販売している)。 急げ!! 8時5分頃、空港前でウルバノとヴィータのキャラクターグリーティングに遭遇 |
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とりあえずモスバーガーやポテトを買い込んだのがぎりぎりの8時7分。 SちゃんYちゃんはビジネススクールが終わった後、一通り見て回ってどこも「募集終了」の札が下がっていることにがっかりしていた。 Sちゃんママは「初めてなのにこんなに体験できたんだからもう諦めよう」と言ったけど、なんの、まだ当てはある。 「どこでもいいならまだお仕事はあると思う。行ってみる?」 「うん、行ってみる」 そこでまずは不人気ストリート・・・じゃなかった穴場ストリート沿いにある新聞社とトラベルセンターをチェックしてみる。 案の定どちらもまだ募集している。 でも嫌なものは嫌とはっきり言うYちゃんは、この二つはやりたくないと言った。 個人的にはリピーター前提なら「やってみたら意外と面白いかもよ」と勧めるところだが、これが最初で最後かもしれない子には強くは言えない。選ぶのは当人だし。 よし、とっておきを出そう。 「パレードやってみる?」 「パレードならやりたい」 上と同じくグリーティング中のウルバノ・ヴィータ |
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楽屋前に行くとちょうどラストのパレードダンサーの募集が掛かっていた。 二人は楽屋の中に消えていった。 でもこれは今回一番の失敗だったかも。 ビジネススクールという大人っぽいパビリオンで満足した彼女たちには派手な衣装を着て踊るパレードは恥ずかしさの方が先に立っちゃったみたい。 8時28分、カナのラジオ局が終了した。 お土産は子供達のDJを収録したCDだ。帰ってゆっくり聞こう。 カナはできたらまだお仕事をしたいと言ったが、残念ながらさっきは募集が掛かっていた新聞社とトラベルセンターも既に終了していた。 そこでSちゃんママが待っている座席に案内し、モスバーガーを食べて待っていてもらうことにした。 そろそろレナも仕事を終えるはずだから。 |
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8時37分、レナのカーディーラーも終了した。 レナも座席に連れてきて、みんなで急いでモスバーガーを食べる。 じきにパレードが始まるはずだから、一番先に食べ終わったカナに通路で見張りをしていてもらった。 そういえばカナとレナは今回も前回に引き続き、5つのお仕事を体験した。 なかなか五つの壁を破れないが、特に今回は声優という超レアなお仕事を体験したことや、その声優が1時間という長丁場だったことを考えると、五つできたことはむしろラッキーだった。 その上こうして夕食を食べて、最後は友達のパレードを見学することもできた。 キッザニアでの5時間。これ以上ないくらい有意義に過ごしているんでない? パレードが近づいてきた |
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衣装は体のサイズを見てスーパーバイザーが割り当てるらしい。 「・・・ださかった」とはYちゃんの弁。 「Yちゃんのはまだ可愛かったじゃない。私なんて掃除の格好だよ」とSちゃん。 Yちゃんは白い割烹着に白い帽子のシェフスタイル。Sちゃんはポケットから大きな洗剤と手袋のはみ出した清掃夫スタイルだった。 「刑事の衣装はかっこよかったし、ふりふりのエプロンの衣装だってあったのに」とYちゃん。シェフのスタイルはまだしも、マッシュルームがくっついていたのがどうにも気に入らなかったのだそうだ。 とは言っても二人ともダンスはちゃんと踊っていた。ちょっと恥ずかしそうだったけど。 |
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今回のまとめ カナ 声優、幼稚園の先生、ガードマン、パン工場、ラジオ局の五つ。 楽しかったのは声優とラジオ局(声のお仕事に燃えた?) レナ 声優、インテリアプランナー、科学研究所、カメラマン、カーディーラーの五つ。 楽しかったのは声優とカーディーラー(意外!) SちゃんYちゃんコンビ 警察官、ライブハウスのアイドル、銀行、料理教室、ビジネススクール、パレードの、お仕事五つ、銀行も入れれば六つ。 パレードを除いてどれも楽しかったそうだ。 今回は期間限定「声優」のお仕事をしたことと、初めてお友達と一緒にキッザニアに遊びに来たことが特別だった。 楽しかったね!! 【追記】 あっ、ちなみに「声優」のお仕事カードは特製ではなく、既存のエンターティナーだった。でもカードより何よりお仕事できたことが収穫ね。 |
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