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◆◇鹿児島温泉巡り旅◇◆

20.旅の終わり、何故か今になって流れるFM鹿児島











 出水を出て空港へ向かう途中、ふいにFM鹿児島が聞こえていることに気付いた。
 紫尾山に電波塔があるからだって遮光土偶さんが教えてくれたけど、実はね、三日前に鹿児島に着いてレンタカーを借りた時からパパは普通にFM鹿児島を流そうと思っていたんだけど、どういうわけか自動で受信できるFM局を探してもFM鹿児島が見つからなくて、代わりにFM熊本だとか、FM宮崎だとか違う地域のばかり引っかかる。どうしてもFM鹿児島が見つからないの。
 しょうがないから余所のFM局のを流したんだけど、いまひとつ受信状態が悪くてぶちぶち切れる。
 それで四日間諦めてたわけ。

 それが今頃FM鹿児島が聞こえてるって、なんか可笑しい。
 もう旅も終わりだよ。



鹿児島空港に戻って来た


 黄昏てくる空を見ながら里の道を走って川を渡って、辺りが暗くなった頃鹿児島空港に着いた。
 レンタカーを返却して、空港内に入り、大空食堂で早めの夕ご飯を食べた。
 最後まで黒豚のトンカツを食べる機会が無かったのでここで食べたんだけどいまいちだった。
 肉は美味しいけど衣がね。ぺったり潰れていて、カラッと揚がってなくて、下手な主婦(そりゃ私か)が揚げた揚げ物みたいになっていた。








 まあそんなわけで最後の食事はおまけみたいなもんだけど、纏めると今回の鹿児島旅行、本当に楽しかった。
 初めて行く場所にはいつもわくわくするけど、それにも増してど真ん中に桜島という海に浮かぶ活火山を据えたこの県は、予想よりずっとパワフルでフレンドリーだった。
 12月末の旅行だと、だいたい雪国にスキーに行くことがほとんどだったけど、12月の鹿児島は、もくもくの噴煙と湯煙はもちろんのこと、菜の花は満開だし、筍は旬だし、1万羽のツルが渡来する光景は想像以上だった。

 鹿児島の温泉も、別に同系統でまとめて行程を作ったわけでも無いのに、炭酸と金属の温泉、山の硫黄泉、海の塩泉、透明でオイルみたいにぬるぬる滑る温泉と順番に来てバリエーション豊かだった。



 機会があればぜひ再訪したいけど・・・






おしまい


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