榛名湖日記 その3 二日目  ◇ドイツ村・クローネンベルクと富士見温泉に行ったよ◇


4月28日(日)

 一日曇りの予報だったが、朝起きると湖の上は青空だった。


 のんびりと朝食を食べて、出発する。今日は関越自動車道を越えた東側、赤城山麓まで行ってみようと思う。
 上毛三山と言えば、榛名山、妙義山、赤城山だが、まだ一度も行ったことがない。ガイドブックをめくって、赤城高原牧場クローネンベルクか、ぐんまフラワーパークにしようと思った。

 特に渋滞もなくすいすいと車を走らせて、353号線を赤城山麓に沿って行くと、街を抜けた辺りから、高原リゾートらしい景色になってくる。道の駅・ぐりーんふらわー牧場大胡では、車窓からでもかなり迫力のあるオランダ風車が見えた。クローネンベルクはドイツのテーマパークだというし、妙にちぐはぐなヨーロッパ趣味が見える。
 道の脇には花も沢山咲いていて、ドライブするには最適な陽気だ。
 ぐんまフラワーパークはチューリップの最盛期らしいが、子供達が喜びそうな、牧場のあるクローネンベルクに向かうことにした。



 クローネンベルクは入り口を入ると、手前の方にドイツをイメージした街並みを再現してあり、奥の方に牧場と遊具があるらしい。


 時計塔などはなかなか良くできているが、街並みの方は、先日東京ディズニーシーで南欧の街並みを再現したメディテレーニアンハーバーとか見てしまった目には、少々あらが見える。

 ドイツ風街並みを過ぎるといきなり羊の放牧場などあり、本場ニュージーランドの羊飼いと牧羊犬が羊の追い込みショーをやるという。いいけど、どうしてドイツ村でニュージーランド人?


 この辺りから、だんだんドイツ風は怪しくなり、ポンキッキの(今はポンキッキーズなんでしたっけ?)巨大ガチャピンを膨らませたトランポリン風船らしきものがそびえていたりする。
 ドイツのテーマパークを名乗るなら、もう少しとことんまでドイツにこだわってほしいのだが…。



 ラマ発見。
 自販機で餌を買って早速餌やり。
 最初はこわごわで、柵にひとつずつ餌を置いていたレナだが、やがて馴れてきて、口まで運んであげられるようになった。
 カナは相変わらず恐がりで、最後まで遠くからしかあげられない。残った餌は全部レナに渡し、レナから餌やりをしてもらう始末。


 お約束の小動物ふれあい広場もある。
 ここのウサギはなまじ広場が広いせいか、鍛えられていてなかなかつかまらない。しばらく子供達が追い回しているうち、コツが判った。隅に追いつめると簡単に捕まえられる。

 お昼はクローネという園内のドイツレストランへ。これが失敗だった。
 ちょうどお昼時だというのに、空いた席が結構あることから、何か変だと感づいても良かったのだが、このときはラッキーかもと前向きに受け取ってしまった。何しろゴールデンウィーク二日目の日曜日、園内はとても混雑していたのである。

 先に食券を買うのだが、そこでまず行列だった。自販機が二台あるが、一台は故障中で、もう一台もほとんど機能していない。というのは、自販機に無いメニューはレジでお買い求め下さいと書いてあるのだが、メニューに並んでいる料理は、半分も自販機に無いのである。結局みんな、たった一人がきりもりしているレジで購入することになる。
 次に料理毎に違うカウンタに並ぶのだが、3種類の料理を頼んでいれば、いちいち3カ所のカウンタで列に並び順番を待たねばならないが、どの列もひどく回転率が悪いのだ。
 全ての料理が揃ってから、パパは最後にビールを受け取りに行ったが、そこがまた長い行列で、戻ってきたときはぐったりだった。
 結局店が空いていたわけではなく、みな、なかなか席について食べることができずにいただけなのだった。

 でも、ソーセージはなかなか美味しかった。パパが言うには、ビールも美味しかったそうだ。

 とにかく要領が悪いことと列に並ぶのが大嫌いなパパは、ランチでうんざりしたようだった。どうしても乗り物に乗りたいというカナに、ここを出て、榛名湖に戻り、ボートに乗ることを提案。
 パパ「でもその前にお風呂に入っていく?」
 カナ「うん、お風呂大好きだよ」



 353号線沿いの、富士見温泉見晴らしの湯ふれあい館
 駐車場も混んでいて、外れの方に止めた。
 いきなり入り口でびっくり。もの凄く豪華なつくりなのだ。中も立派で、多目的室と呼ばれる大広間には全面暖簾のようなものが下がっていて、何事かと思った。中からは大音響のカラオケが響いてくる。群馬の日帰り温泉施設には、「ふれあい」の四文字とともにカラオケは付き物なのだ。

 いやはや、浴室も混んでいた。洗い場はたまたま空きがあってすぐ取れたが、そのあとに来た人たちは列をなして待っていた。内湯も混んでいたので、入らずすぐ露天風呂に移動したのだが、これまた混んでいた。

 露天の浴槽は扇形で屋根付き。設備の豪華さ大きさに比較して、小さい。完全に壁にくっつけてあるので、入る人は必然的に壁に背を向けて外側を向くことになる。スペースだけは異様に広くて、風呂から見て奥は小さな丸石を沢山敷いて、その中に飾りのような実用品のようなベンチが並べてある。たぶんのぼせたら、そこに座って眼下に前橋の市街を見下ろしてくれという訳なのだろう。浴槽は狭いのに、この視覚効果のせいでかなり開放感がある。計算された感じ。

 お湯はナトリウム・カルシウム塩化物温泉。少し黄色っぽい。かなりしょっぱい。柔らかさはあまりなく、きしきしする感じ。あがった後にまるで硫黄泉に入った後のように、手足がひりつく感じがあったので、塩泉の割に攻撃的なお湯だなぁと思った。

 とにかく一緒に入ったレナは、露天風呂の玉石が気に入って、ずっと遊んでいた。ここは風呂の外のスペースが広く、落ちたり滑ったりしにくくかなり安全性が高いので、悪戯盛りの子供と入るにはなかなか良い環境。
 ゴールデンウィーク中だからか、温泉でこのところまれにみる年齢層の低さ。特に就学前の子供が目に付いた。露天風呂にレナが入ってる間も、他に5、6人は子供が入っていた。

 あまりに混んでいたので浴室の写真は撮影できず。外観(下)も、正面ではなく農産物直売所から、ふれあい館を見たところ。


 敷地内に真新しい農産物直売所があるかと思ったら、なんと昨日オープンしたばかりらしい。


 パパが子供達のためにソフトクリームを買ったら、「素人が作っているので巻きが甘いが、中身は沢山詰まっている」と言われたそうだ。



 子供達にヘリウム風船を配ったり、手作りおでんを無料配布していたりした。
 なんか、のどかでいいなぁ。
「3時で終わりだよ、食べてけ食べてけ」と呼び込み。



 帰りの車の中で子供達は熟睡。
 眠ってしまったので、湖のボートは明日へ延期。



 ベランダで七輪を出して夕食の準備をしていたら、カナだけ目を覚ました。



 「お外で食べるのって美味しいね。キャンプの練習なの?」

 そう、あと一ヶ月ぐらいしたら、テントデビューの予定。
 「テントで寝ると壁が布だから、風が吹くと壁が揺れるよ。虫の声とかも聞こえるよ」
 「えー、ほんと?」

続く…


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