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榛名湖日記アンコール2-2


2.箕郷梅林

 今回の旅で、専用の双眼鏡を買ってもらったカナとレナは、野鳥観察がしたくてたまらない。梅といえば鶯。何かしら鳥が見られるかな。

 桜の花見は毎年どこかでやっている気がするが、観梅は初めてだ。桜だと見るなのに、梅は観ると言う字を使うのが不思議。
 箕郷の梅は戦国時代から既に歌に名を残しているが、大正に入ってから計画的な栽培が始まった。その後、昭和三十七年に酒税法が改正され自家製梅酒作りが盛んになると、青いダイヤと呼ばれた梅は需要を大幅に伸ばし、さらに昭和五十年代半ば、カリカリ梅ブームに乗って益々増産が続いた。
 今や箕郷は十三万本という、一大規模の産地なのだ。

 桜と違い低い樹高で、独特のうねりを持つ枝がそれぞれ天を指し、各枝にはびっしりと白い可憐な花がついている。
 白い花の波の奥には赤城山、そして見上げれば榛名山。眼下には高崎の市街地。なるほど、絵になる。




 駐車場を出て、梅林の中の舗装された道を登っていけば、道端で梅干を売っている、みのもんた似のおじさん。
「どうだい、満開だろう? 今日が一番見ごろだね」
 振り返ればちょうど左右に迫る梅の枝の奥にぼんやり霞んだ関東平野。
「ここからの景色がちょうど、先日の上毛新聞にカラーで載ったんだよ、見たかい?」
 見ていないと言うとおじさんは新聞を持ってきて、
「これだよ」
「おじさんが撮ったの?」
「まさか、カメラマンさ」

 その舗装路を一番上まで行くと鳴沢湖が見えるそうだ。さらに道を折れて先へ進むと公園があって出店なども並んでいるらしい。
 そちらにも駐車場があるというので、いったん車に戻って公園の方へ行ってみることにした。
 歩いても行かれるが、大人の足でゆっくり回って一時間半という。寄り道ばかり子供たちを連れていたら半日コースになりかねない。
「公園で売っているお焼きなんかは、みんな地元の人の手作りだよ。山の中だからテキ屋なんかは入れないのさ。日ごろ梅林で肥料なんかをまいているおばちゃんたちの手作りだよ」と、おじさん。
 このあたりで一番安いと自称する梅干を二種類買って、先を急ぐことにした。
 花より鳥の見たい子供たちは、ねえねえ、どこに鳥がいるの?と騒がしい。


ここが上毛新聞に載ったという観梅スポット。
一週間前はすごい人出だったそうだけど、昨日まで寒かったせいもあり、花は今が満開。
暖かい快晴の土曜日なのに人影もまばら…。
最高の観梅日和。 箕郷梅林は農業用の梅林だが、観光客を梅林内に立ち入らせてもらえるところもある。




2-3.みさと梅まつりの公園へ続く


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