◆◇夏休み函館紀行◇◆
母娘函館観光旅行記
あれよあれよという間に体験が始まってしまって、何をどうすればいいのかバタバタしているうちに馬はもう前の馬について大人しく歩き始めた。
道産子馬とは言え乗馬初体験の私にとってはずいぶんと大きな生き物で、その背に乗っているとかなり位置が高いので、つまり安全ベルトも何も無しで、ただ鐙に足を入れて綱を握っているだけで、うっかりバランスを崩したり振り落とされたりしたらどうしようと最初のうちはドキドキハラハラし通しだった。
パッカパッカとリズミカルに歩いているうちはいいが、たまに立ち止まるように足踏みしたりブルルルと体を震わせると、うわっとこちらも身構えて、思わず手綱を握りしめてしまう。
乗っているのが゛やっとだったんで、画像があまり変わり映えしなくてすいません
馬は一列になってパッカパッカとファームの外れまで進むと、横に曲がりけもの道のような草の間の坂を登り始めた。
ゆっくりしたリズムで馬は進む。
最初のうちは乗っているだけでせいいっぱいだったが、少しずつ慣れてきて周りの景色を楽しむ余裕も出てきた。
ちょっと地面が露出したごろごろした急なところも、木々の間も、馬は上手に歩き続ける。
森を横に見ながら背の高い草が生える道をずっと進むと、遠くに海と函館山が見える見晴らしの良いところに出た。
慣れてくると小走りにさせることもできた。といっても馬たちはお利口に前の馬に従って進むので、ほとんどこちらで指示しなくても動いてくれるようだ。
体験時間はあっという間で、いつの間にかまたファームの入り口まで戻っていた。
馬場の横の未舗装路を行くところが一番大変だった。
次のお客さんが小さい子連れで来ていたので、気が散りそうになる馬を絶対にそちらに近づけないように手綱をコントロールする必要があった。
馬から降りると地面が固いのが何だか不思議に落ち着かない。
次のお客さんのお子さんは乗馬するには小さすぎるのかなと思っていたが、コースに出るのではなく馬に乗って係りのお兄さんが綱を引いてファームの道を歩いていた。子供は大喜びしていた。
うちの娘たちも乗馬体験はとても楽しかったようで、しばらく興奮冷めやらぬようすだった。
帰りのタクシーは、さっき乗ったタクシーがまた呼んでくれと名刺を置いて行ったので、そこに携帯から電話した。
ほどなくタクシーはやってきて、11時には函館どさんこファームを離れることになった。