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◇◆富士山ふもとっぱらキャンプ場◆◇

2.朝もやの139号線











 寝ていいよと言われたときに限って眠れない。
 渋滞を避けるため、家を出たのは午前3時半少し前。
 4時ごろには首都高も抜け、中央道をひた走る。
 まだまだ夜明けまでは間があり、空は暗いが既に道路は混み始めている。
 あと30分出るのが遅かったら捕まったかも。

 空が白み始めるころ、前方に富士山、中空に白い月。
 5時前には富士急ハイランドのジェットコースターを見上げながら河口湖ICで中央道を下りて、139号線に入った。

 富士五湖から朝霧高原に掛けての一帯には温泉が少ない。
 しかし景色のよいキャンプ場は豊富にある。
 私たちは意外とこの辺りに詳しい。
 なぜなら子供がいない頃から子供が小さかったころに掛けて、本栖湖には頻繁にキャンプに来ていたからだ。


富士眺望の湯ゆらりの看板のところにはためくピンク色の幟。これこそが富士芝桜まつりの案内だった



 山麓に横たわる朝もやの中を突き抜けて、昔馴染みの道を走っていくと、本栖湖への表示を過ぎたあたりで「富士芝桜まつり」という幟を見かけるようになった。
 139号線沿いにふいに芝桜まつりの会場があった。
 首都圏最大級70万株のシバザクラという触れ込みのようだ。
 芝桜と言えば、以前埼玉の羊山公園で見たことがあるが、あの時はシーズン終わりがけで枯れかけていたっけ。
 朝の5時過ぎ。
 どこの店も遊ぶ場所も空いていないような早朝だからこそ、とりあえずこの芝桜まつりに入ってみるのもいいかも。
 前の車も後ろの車も同じことを考えるのか会場方面へ次々右折していく。
 私たちも右折した。
 ほとんど何も考えずに。






1-3富士芝桜まつりの駐車場と混雑ぶりへ続く


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