** ケアンズと森とビーチの休日 **
私たちが朝食をとっているとカナが起きてきた。
レナは起こさないとなかなか起きてこない。
今朝はパパがビーチに朝日を撮りに行かなかったので、私がバルコニーから夜明け前の空を撮影した。
全部荷物もレンタカーに積み終えて、後は部屋のドアを閉めるばかり。
9号室。
一週間の楽しい思い出とともに。
さようなら。
カナもレナもこの部屋に住んでいる二匹のゲッコーと海とプールにバイバイと言った。
空っぽになってしまった部屋のドアを閉めると、ちょうど朝日が昇るのが判った。
「最後の写真を撮ってこよう」
私がビーチの方に駆け出すと、カナとレナもついてきた。
「昨日作ったお城は残ってるかな」
「あっ、残ってるー」
波はお城までは届かなかったようだ。昨日作ったそのまま、木の実や貝が飾られている。
「私たちが帰っちゃった後も誰かがこのお城で遊ぶかな」
最後の朝日は綺麗なオレンジ色だった。