** ケアンズと森とビーチの休日 **
カナとレナは船首スペースのの中央にある椅子のように出っ張った部分に座っていた。
私は窓の所に寄りかかっている。
スタッフが歩いてきて、私の隣の女の子に証明書のような紙を渡した。
それは体験ダイビングの証書だったようで、彼女は嬉しそうに畳んで仕舞った。その女の子は今朝、スコッティーズのバックパッカー宿から乗り込んできた子だった。
ワゴン車から一緒だったラブラブカップルも現れた。カップルの彼女は往路の船上では日焼けばかり気にしてバスタオルをかぶっていたが、リーフに着いたらシャイな態度と裏腹にえらく大胆な水着姿を披露して驚かされた。帰りは二人とももう一目も気にせずすっかり自分たちの世界に入ってしまっている。
ちなみに上の文中のカップルはこの二人じゃないですよ~。
下の文中のオージー奥さんがこちらです。
船の一番舳先の所は、ちょうど人が一人立てるくらい凹んでいる。
日本人ハネムーナーの彼氏がそろそろと先端に近づき凹みから正面を撮影した。
彼女の方はハラハラしたようで「危ないよ」と心配そうに言った。
しばらくして今度は私たちより年上の日本人夫婦の旦那さんがやってきて、やはり先端に行き、手すりに捕まりながらポーズを取った。奥さんはそれを苦笑しながら撮影した。
またまたしばらくして今度はオージーの奥さんが現れた。
彼女は先端に近づき振り返ると、両手を手すりから放していっぱいに広げた。
「うわぁお」
流石にそれは彼氏がカメラのシャッターを押した一瞬のことで、また彼女はすぐに手すりに捕まったけど、三人三様のパフォーマンスは面白かった。
何だかこう、舳先を見るとみんなそういうことをやってみたくなるものらしい。
ココがみんなのステージだった。
誰かタイタニックやってみる?
結構揺れるんでね、近づくだけでも怖いよ。