** ケアンズと森とビーチの休日 **
パパはバーベキューコンロの前でビールを片手に準備をしている。
夕方5時少し前。
一日雲が多かったせいもあり、日が陰るのも早いような気がする。
夕暮れ時には頭上をいろいろな鳥が横切る。みんなねぐらに帰るのか。
つまみにフルーツでも切ってこようと思えば、
「悪い、部屋に戻るなら肉も持ってきて。もう塩胡椒して冷蔵庫から出してあるから」
「了解」
フルーツと肉を携えて戻れば
「悪い、ビールもう一本持ってきて」
「了解」
子どもたちのタオルとビールを持ってくれば
「悪い、ソイソース頼むわ」
・・・別に良いけど、いっぺんに言ってくれ~。
午前中と違って子どもたちもプールで喧嘩せず遊んでいる。
夢中になって何をやっているのかと思えば、水中に面白い虫がいて、それをせっせと捕まえてはバケツに集めているのだ。
1センチぐらいの大きさの黒い虫で、二本、長ーい足が出ている。だから上から見るとまるで二本のオールで漕いでいるボートみたいだ。
よくよく観察すると、この二本の他にもあと四本短い足があって時々それがちらっと見えるのだが、ほとんど二本だけ動かしていて残りは胴体にくっつけている。
この虫がプールの隅の方にかたまって泳いでいて、これを子どもたちは追い込んで捕まえるのが楽しいらしい。
「ママも捕まえて」
オッケーイ、ママはこういうの得意だよ。
プールにいっぱいいた謎の虫
子どもたちは喜んで追い回した