** ケアンズと森とビーチの休日 **
レナに構っていたらまたまた遅くなってしまった。
パパとカナはもうマリーナを出て駐車場へ向かっている。
追い付いたところは朝受付をした入り口に面した道路だった。
おや、何かトラブルでもあった?
カナがパパを怒っているように見える。
「どうしたの?」
「あのね」とカナ。「お姉さんがジュゴン見えたって聞いたのにパパったらノーって答えたんだよ」
つまりこういうことだ。
マリーナを出るときにそこのお姉さんに「ジュゴン見えた?」って聞かれて、ちゃんと見えたはずなのにパパは「見えなかった」と答えたと。
ここで大切なのは、カナにはお姉さんの英語が正しく聞き取れたのに、日頃我が家の通訳を一手に引き受けているパパに正しく聞き取れていなかったということだ。
カナは二年前からECCジュニアに通って週に一回英会話を習っている。本人の性格もあるだろうが、家でこなしている宿題の回答率を見ていても彼女の英語能力はちっとも伸びているように見えない。シャイなので自分から決して人に話しかけようともしないし。
にも関わらず、今回お姉さんがしゃべった言葉をさらっと理解したことに驚いた。私は結構嬉しかった。
逆にパパはブッキングなど大切な内容はしっかり聞き逃さないようにしているが、雑談ではハハンと適当に相づちを打っていただけだと言うことが子供に思いっきりばれてしまった。
この一件にはこんな我が家の事情が現れている。