** ケアンズと森とビーチの休日 **
子どもたちがこのウォンガリンガが気に入っている理由は、いつでも入れる素敵なプールがあることと、お部屋にブランコがついていることだった。
そうだ。一昨年の8号室にはブランコのように揺れる長椅子があった。海側じゃない方のバルコニーに置いてあった。確かにこの部屋には見あたらない。この部屋のセカンド・バルコニーには、大人っぽい籐の椅子と、貝の飾りが置かれた硝子のテーブルしか見あたらなかった。
ちらっと窓越しに隣の8号室を見ると、以前はセカンド・バルコニーに置かれていたブランコが今はビーチを臨むメイン・バルコニーの隅に置かれているのが見えた。
「この部屋にブランコは無いんですか?」
パパがロラリーに聞いてみた。
ブランコじゃ通じなかったみたいだ。パパはスゥイング・チェアーと言い直した。
「ああ、8号室にしか無いのよ」
それを知らされてショックを受けるレナ。
「前と同じ部屋に泊まりたい」
それは無理だ。隣にはもう別のお客さんが泊まっている。
困ったわねという顔をしたロラリーは、ビーチの方を指さした。
ビーチに出る小径の所に木の枝からロープを垂らしバーを結びつけた素朴なブランコが下がっている。
「あれで許してよ、ねっ」
買ってきた生鮮食料品を冷蔵庫にしまっていると、子どもたちが呼びに来た。
隣の8号室の例のブランコに鳥がとまっているよと。
カメラを持って見に行くと、確かにくちばしの青みがかった茶色い鳥がブランコの背もたれの上にちょこんととまっている。何だかそこがえらく気に入っているみたいで、時々飛び立ってはまた戻って来る。
隣室は今は留守だ。
ロラリーに聞いた話によると、日本人の一家が泊まっているらしい。ミッションビーチで日本人に会うのは珍しい。明日には会えるかもしれない。
私たちの部屋のバルコニーから見える隣室のバルコニー。
白いパラソルの下の青いのが例のブランコの屋根部分だ。
そしてそのブランコ(スウィングチェアー)の背もたれの所に鳥がとまっている
拡大してみた。くちばしが青っぽい? 穏やかな可愛い顔をしているね