再びケネディ・ハイウェイに戻って・・・。
しばらく道は一本道だ。実際はしばらくなんてものじゃないが。
ほとんど対向車も無い。
もちろん家の影もない。
ただ道だけが延びている。
辺りの景色も単調だ。
どこまでもどこまでも乾いたユーカリにブッシュファイアの痕。
ユーカリの足下は草原。
マリーバの景色にもよく似ているが、蟻塚だけがない。
おかしいな、こんな景色ならいかにも蟻塚がありそうだ。そう思って探してみると、時々ぽつりぽつりとあった。でもマリーバに比べたらずいぶん少ない。
何故か時々アスファルトの色が変わる。
白っぽいアスファルトになったり、オレンジがかったアスファルトになったり。道の途中でいきなり切り替わる。色を塗り分けたみたいに。
「オレンジ色のはここら辺の赤土を混ぜたんじゃないの?」といかにも適当なことを言うパパ。
12時半過ぎ。
まったく唐突に
インノットに着いた。
何もなかった景色の中に突然建物が見えたと思ったら、もうそこがインノットの中心地だった。
橋を渡るとガソリンスタンドがあって、それからただっぴろい駐車場とキャラバンパークのようなもの。たぶんこれがインノット・ホットスプリングス・ビレッジだと思われる。
といってもどうして良いのか判らない。
日本の温泉ならドアを開けて帳場に行き「日帰りで入浴できますか?」とかなんとか聞くところだが、海外の温泉なんて生まれて初めてなもので。