1.ケアンズ再訪のその前に
「えーと食べ物は・・・バラマンディって日本語だと肺魚のことだったの!? 知らなかった。肺魚って言えば生ける化石じゃない・・・揚げ物はディープ・フライドなんだ。てっきりフライドだけで揚げるのかと思ってた。ただのフライドは炒め物なのか。するとフライドチキンやフライドポテトって炒めてあるの?・・・むむ、野菜のエキス?・・・野菜のエキスゥ? なにそれ。聞いたことないぞ。英語の綴りは・・・と、vegemite。なんだ、ベジマイトのことじゃん。野菜のエキスなんて書くから何のことかと思った。ベジマイトって書いてよ、ベジマイトって。っていうか、ベジマイトって野菜のエキスのことだったのかー、そっちの方が初めて知ったよー」
英語に不自由な私は、東京の自宅から成田空港に向かう車の助手席で今更ながら旅行英会話の本を読んでいる。
いやいや英会話じゃなかった。豪会話だった。
結構違うのだ、英語と豪語。Aをエイじゃなくてアイと読むというのはよく知られた話だけど、他にも英語には存在しない謎の単語や言い回しも多かったりする。
どっちにせよ遅すぎるが。
あと数時間後には成層圏にいるし、10時間もすればオーストラリアの大地に立っている。
今更何を勉強するっていうのか。
ああ、こんなことなら毎日ラジオでも聴いて勉強しておくんだった。
そうさいつも出発前だけはそんな風に決意するんだ。
もう何もかも手遅れ。
付け焼き刃。
初日 4月26日(木) もしくは出発前のあれこれ
本当はできれば毎年オーストラリアに行きたいね、なんて話をいつもしているのだけど、現実にはなかなか厳しい。
実際に去年は行かれなかった。おうちの一部を
リフォームして予算はすっからかん。
今年も半分諦めていたけど、パパは諦めなかった。
まだカンタスのマイルは一人分ぐらいしか溜まっていないから使うつもりはない。
燃油サーチャージは呆れるほどに高い。
おまけに為替は1豪ドル約100円。
100円~!?
計算は楽だよ。17ドル50セントですと言われたら頭の中で1,750円ねと換算すればいいんだもの。でもこないだまで1ドル80円じゃなかったっけ。いやいや60円時代も知っている。
それって単純に3年ぐらい前と比較しても、全てのものが2割高くなったようなもので、今まで一泊8千円で泊まれたホテルが1万円になっちゃったようなもの。
さらに豪州はこのところ好景気で物価自体が上がっている。
過去は日本と同じ額を出せばそこそこリッチに過ごせたはずのオーストラリア、今じゃ日本と同じ額を出しても貧乏生活がいいところ。
それでも行くの?
何で行くの?
そりゃやっぱりオーストラリアが好きだからでしょ。