8.ダンク島上陸
島に到着すると、ほんの少し青空が見えてきた。
大陸の方は厚い雲に覆われているのに、ダンク島の頭上にだけわずかに青空がのぞいている。
これから晴れるかな。
どうか晴れて。
桟橋でカナがプルメリアの花を拾った。
「きれーい」
「レナのは!?」
何でも同じものを手に入れないと気の済まない妹が泣き出した。
そこへ奥さんが東洋人の旦那さんがカメラを手に降りてきた。
「撮ってくれませんか?」
パパが島をバックに一枚撮影すると、旦那さんは「お礼に撮りましょう」と私たち一家の写真も撮ってくれた。
レナだけはプルメリアがほしくて泣いたまま。
カナに写真を撮る間だけと花を渡してもらったけど、ぐずぐずと下を向いたまま、シャッターは切られてしまった。