6.ローレンスカバナーとクイックキャット
桟橋には先にクイックキャットのフェリーが着いて、それからしばらくしてローレンスカバナーのフェリーも波を蹴立ててやってきた。
舳先にダンク島のシンボル、ユリシスのマークがついている。
結構大きな船だが中はがらがら。オフシーズンだからなのか、天気が悪いからなのか、はたまたこのところ風が強く波が荒いせいなのか、乗客はたったの三組。
これじゃあクイックキャットと二社で張り合っても仕方ない。
私たち家族四人と先ほどのオージーと東洋人の夫婦、そしてもう一組オージーらしいカップル。
桟橋の反対側に停泊しているクイックキャットは、しばらく海へ出る予定はないのかホースで水を掛けて清掃を始めたが、こちらの乗ったローレンスカバナーはすぐに出航した。
ウォータータクシーよりはずっと揺れないと聞いていたが、それでも揺れる揺れる。
パパは今回も忘れずに酔い止めを服用したそうだ。
うん、賢明だね。
ダンク島までの所要時間はおよそ30分。
この調子で揺れまくっていたら、船酔い体質の人には笑えない結末が待っている。
桟橋が遠ざかり、一昨日訪ねたクランプポイントの船着き場も見えた。そしてその南側にミッションビーチ、ウォンガリングビーチ、サウスミッションビーチと黄金色の砂浜が続いている。
内陸は山だ。
いつもビーチから海を眺めていたけれど、海からビーチを見るとこんな風に見えたんだ。
それにしても天気が悪い。
この風景も初日のような快晴の下で見たらどんなにか綺麗だろう。