8.パンが主食のカンガルー?
温度と湿度が高く、日陰が多いので、あちこちを蚊に刺されてしまった。
虫さされの薬をカバンに入れてきて良かった。
自分や子供たちの腕や足にそれを塗りながら先へ進んだ。
園の一番奥にカンガルーコーナーがあった。
お姉さんが観光客にカンガルー用の餌を配ってくれる。
この餌にも吃驚。
今までの動物園では、カンガルーの餌といえばヒマワリやカボチャの種が入ったようなミューズリ系か、日本でも見かける小さな円柱形に固めた動物の餌だったが、なんとここで渡されたのは、ただのパン。
さっき朝食に食べてきたような、本当にその辺で売っているパンだった。
・・・カンガルーって、パンが主食だったのか・・・。
知らなかったよ。
カナもレナもパンをひとつもらってカンガルーにあげはじめた。
まだ朝だというのにカンガルーの食べっぷりは悪い。
お腹いっぱいなのか、口元まで持っていっても食べるか食べないか。
レナが親子カンガルーを見つけた。
赤ちゃんはお腹の袋から出てきたばかりのようで、よろよろして立つのもおぼつかない。
歩こうとしてどさっと横倒しに倒れてしまった。
人間の赤ちゃんが歩く練習をしているみたいだ。
お母さんの方は袋の手入れに忙しい。
赤ちゃんが外に出ている間に綺麗にしなくてはいけないみたいで、しきりと袋の口をなめている。
よく見ると袋の中は結構なまなましいというか、グロテスク。
こんなもの、他で見る機会はないだろう。
レナは赤ちゃんにパンをあげたがったが、赤ちゃんはまだパンなど食べないのか見向きもしてくれなかった。