2.ビーチ・コーミング
まったくもう、二人だけで楽しんじゃって・・・と後を追い、朝の砂浜で打ち上げられた貝など探していたら、
「レナはどうした?」とパパ。
「まだぐっすり眠っているんじゃない?」
「起きて泣いていたらどうする」
「まさかぁ、カナと違って寝かせておけばいつまでも寝ているし、昨日もカナと違ってなかなか寝付かなかったから、絶対まだ寝ているよ」
「こういうときに限って起きるんだよ、あいつは・・・」
そう言われてちょっと心配になってきた。
急いで部屋に戻ると・・・
ドアを開けたら
「ママ、おはよう」
泣きもせず、一人で起きてリビングのソファーに座っているレナがいた。
もう一度レナを連れてビーチに行き、みんなで少し散歩した。
この辺りのビーチは白い貝が多い。
大きさは小さめだが、南の島のシェルと聞いてイメージする、あのぎざぎざした白い貝殻が沢山落ちている。
陽は差しているのに沖の方にはスコールが来ているらしい。
黒雲の下は鉛筆で塗りつぶしたように黒々と雨の筋。