25.夕暮れのプールサイド
その後子供たちはプールに入りたいと言いだした。
えっ。だってもう5時半になっちゃうよ。
パパがプールに手を入れてみて、そんなに冷たくないから大丈夫だろうとGOサインを出した。
ウォンガリンガに着いたとき、部屋からプールで遊んでいる男の子たちが見えた。彼らももう夕方だから部屋に戻ってしまったようだが、それを見ていたカナとレナも泳ぎたくて仕方ないらしい。
まあ今日は一日車の中に閉じこめられていたしね。
既に水着になってるから、まあいいか。
ここのプールは「く」の字型をしていて、そんなに大きいものではないが中央はかなり深い。
海に向かって左半分が1.4m、右半分がなんと1.8m。
パパでも背が立たないじゃん。
両端が区切られていてここは浅くなっている。幼児向きだ。
だから安全な端っこで遊ばせようと思ったが、カナはもとよりレナもそんなものでは満足しない。
海を散歩するだけのつもりだったので、アームリングなどの浮き具などは部屋に置いてきてしまった。
プールに備え付けてある発泡スチロール素材の長いバーで遊ばせることにした。
絶対これから手を離しちゃ駄目だよ。
そんな言いつけを真面目に聞いていたのは最初のうちだけ。
気がつくと二人とも平気でそのまま泳いでいる。
小学二年生のカナは学校の水泳でとりあえず25m泳げることになっている。
幼稚園年長のレナは園の正課であるスイミングに週一回通い、クラス分けで三クラスのうち、一番泳ぎの上手いグループに入れてもらっているようだ。
それにしたって・・・。
親は心配なので二人が浮き具から離れる度に冷や冷やしてしまった。