14.マンガリー・クリーク・デイリー
「昼食は軽めにマンガリー・クリーク・デイリーでどう?」
「・・・いいよ」とパパ。
この場合のデイリーというのは「daily
毎日」ではなく「dairy
酪農」。発音はデァリーに近い。一昨日美味しいアイスクリームを食べたマランダ・デイリー・センターのデイリーと同じ意味。
最高に贅沢な乳製品を食べられると聞いている。
マンガリーといえば、このマンガリー・クリーク酪農とマンガリー滝の二つが観光名所だから、どちらか先に表示が見えた方から寄ろうと思っていた。
先に見えたのはマンガリー・クリーク・デイリーの表示だった。
パルマーストン・ハイウェイから左に入るようになっている。
緑の丘のアップダウンを行く一本道。
正面になだらかだが印象的な山容を見せているのは、たぶんクイーンズランド最高峰のバートル・フレア山。
「マンガリー・クリーク・デイリーはどこだろう」
曲がればすぐにあるのかと思ったら意外に距離があった。
「この丘の下じゃないか? クリークと言うからには川のそばだろう」
しかし丘の下には何もなかった。次の丘の上に建物が見える。
「あれじゃないかな。全然クリークのそばじゃないけど」
ひらひらと青い蝶ユリシスが舞っている。
「ここだ」
お昼時。
駐車場には結構車が停まっている。