11.夕ごはんのその前に
今回私たちの泊まった144号室は、テラスが二つついている。
このうちヴィラの敷地に面した広い方のテラスを使う。
カナもレナも食器や料理を運ぶのを手伝ってくれた。
パスタが茹で上がるまで少し時間があったので、パパは「子供たちを連れてホテル棟に行ってみれば」と言った。昨日の椰子の実パフォーマンスのように、何かイベントをやっているかもしれないというのだ。
カナとレナは、
ケアンズ・ショーでもらったヘリウム風船を、
レインフォレスト・ハビタットで買ったロリキートのぬいぐるみにくくりつけて、競うように走り出した。
ヴィラからホテルまでの道、もう目をつぶっても行かれそう。
でも今日は残念ながら何もイベントは無かった。
それでも二人がまたプール前の広場で追いかけっこをしていると、知らない金髪の坊やが参入してきた。
レナは風船を取られるかと思って真剣に逃げていた。