12.マンゴーワインのワイナリー
子供たちがまだ寝ているのだから、今度は
マンゴーワイナリーに行ってみよう。
ここは去年アサートンをドライブしたときにも、道沿いに大きな看板があって気になっていたのだ。ゴールデン・ドロップと書かれた滴とワインの瓶のデザインで、トロピカルフルーツのワインってどんな味がするのだろうと思った。
Biboohraまで戻り今度は東へ折れてみると、ちょうど曲がり角のところにくちばしの長いユーモラスな鳥が二羽いた。
写真を撮ろうと追いかけたら、てってこと走って飛んで逃げてしまった。
マリーバはサトウキビ、ピーナッツ、コーヒー、タバコ、そしてマンゴーなどのフルーツも生産している。ここでワインにしているのはケンジントンレッドという品種のマンゴーだ。
道沿いにマンゴーの木が等間隔に植えられているのだが、幾何学模様のように寸分狂いなく並んでいる様子はフランス庭園のようだ。
やがて左手にゲートがあり、Golden
Pride
Wineriesと書かれていた。
入ると正面に駐車場。
パパがまた、一人で行っておいでと言う。
後部座席で「つまんない」だの「お腹いたい(車酔い?)」だのと1分と黙っていない子供たちが寝ていると、ドライブ中の大人たちは精神衛生上楽なのだが、どこかで車を停めると必ず見張り番が一人必要になってくる。
きょろきょろと辺りを見回しながら、ガレージのような建物の中に入っていくと、瓶詰め工場のライン機械のようなものがむき出しで置いてある。今はマンゴーの季節ではないから、動いていないのだろうか。
さらに進むと団体が食事をできるようなちょっとしたスペースがあり、その隣の部屋のスライドドアが半分開いていた。
中から賑やかな笑い声が聞こえる。
そっとのぞき込むと奥に商品が陳列してあるのが見えた。
おそるおそる入ってみる。
部屋の右手前に冷蔵庫があり、その前にワイナリーの奥さんとおぼしい方が立っていた。その前の丸椅子に年輩のご夫婦が座ってテイスティングしている。さらにほかに二人ほど後ろに立ってやっぱりグラスを手にしている。みんな半分酔っているのか陽気におしゃべりしていた。