ポートダグラス楽園日誌2004 3-14
14.キュランダのマーケット
坂道をかたかたと降りていく木のカンガルーのおもちゃが目に付いた。
売っているお兄さんが実演してくれる。
かたかたかたと音を立てて、単純なつくりながら本物さながらの動きで降りてくる。
レナはそれがほしくてたまらないらしい。
高いから駄目。
そこへカナの手を引いてパパがやってきた。カナはカナでパパにぐずぐず言っていたらしい。本当に二人ともショッピングとか始めるとすぐにぐずる。
別に本気で買い物をしたいわけじゃないけど、あなたたちもたまには大人に付き合いなさい。
そこできらきら光る腕輪を二つ買った。
チープなつくりだけど、子供用サイズがあり、ひとつ1ドルだ。
これでどう?
レナはすぐに機嫌を直したが、カナはまだ「いらない」とか何とか言っている。
本当はほしいのは判っている。カナはとにかく損な性分なのだ。
結局マーケットでは子供の腕輪しか買えなかった。
というか、ほとんど中も見られなかった。
夜明けの寒さが嘘のように暑い日になっていた。
公園では子供たちが遊んでいる。
カナとレナもきっと遊具で遊ばせれば気分転換になるのだろうけど、今日は先を急ごう。
車に戻ったらカナが小さな声で「腕輪をちょうだい」と言った。
パパはぐずぐず言うなら買わないで行こうと言ったけど、カナの分も買っておいて良かった。