7.魚がうようよ
もう少し近づいて大きな丸い石に登り、川の中をのぞき込んでみればこれまたびっくり。水底を透かすほど透明な流れの中に、ゆらりゆらりと大きな魚が何匹も何匹も泳いでいる。
カナを呼んだらカナも吃驚して、それから彼女はいきなりノートとペンを出してスケッチを始めた。
魚とそれを見ている自分を描くのだそうだ。
ふいに魚たちに動きが見られた。
オージーの若い男性二人組が、岩の上からパンをまき始めたのだ。
魚たちはみるみる集まってきた。
巨大なニジマスみたいなの、ヘビのようににょろりとしたウナギみたいなの、底の方にいる黒っぽいのはナマズみたい。
泳いでいる人たちはまるで魚を手づかみできそうだ。
モスマン渓谷がこんなに面白い場所だとは知らなかった。
カナとレナは水着を持ってくれば良かった、泳ぎたかったと言っていたけど、きっとそれは寒すぎ。