しあわせの丘リゾートキャンプ場日記
秋の房総・勝浦の旅
キャンプサイトに戻ると、がっちゃんはさっきのyuko_nekoさんの言葉を信じていなかったのか、うちのパパと二人で戻って来る時間について何やら賭けをしていたようだ。
炭の上ではサザエとめざしがこんがり焼けていて、鍋にはパパ特製の芋煮も完成していた。
「男性陣は子どもたちを連れてキャンプ場のお風呂に行ってくればー?」
と、どこまでも冷たい私たち。
パパ一人だったら絶対「うん」とは言わないところ、がっちゃんが一緒だから大人しく子どもたちを連れてお風呂に行ってくれることになった。
しあわせの丘リゾートは温泉でこそ無いが、一応露天風呂なんかもある。温泉並に有料だが。
その代わりに温水シャワーだけなら無料。彼らは翌日はシャワーだけを選んでいた。
「サザエ、焼けたから食べて良いよ」
おや、ずいぶん気前の良い・・・と思ったら、実はパパとがっちゃんは私たちが帰ってくる前にこっそり食べてしまおうと焼いていたところだったということが判明。
こっそり一つずつ食べた後、何喰わぬ顔で残りも焼いて、みんなで分けようと考えていたらしい。
それが思ったより私たちが早く戻ったものだから、すっかりばれてしまい、どうせなら風呂上がりに残りを新たに焼いて、焼きたてを食べようと考えを変えたものだった。
考えることがせこいぞ。
真っ暗になると、飾りもののように大きな月がぽっかりと昇った。
子どもたちは前回の鳴子の時と同様、トレーラーの中でゲームをしたりDVDのビデオを見たり。
カナが詰まらないことでぐずぐず言ったので連れ出してキャンプサイトの周りを散歩したりした。
朝市で買ったもくずガニは元気で、ネットから出すと一斉に逃亡を図った。
みんなで追いかけて捕まえる。
レナは沖縄でカニのつかみ方を覚えたのでひょいと簡単につまみ上げる。ちび姫ちゃんは吃驚だ。
このもくずガニも半分ほど酒蒸しにして食べた。
しあわせの丘リゾートキャンプ場はとても品行方正なキャンプ場で、暗くなるとあっと言う間に周辺は静まり返ってしまう。賑やかな笑い声やおしゃべりの音もほとんど聞こえない。さらには9時を過ぎればタープやテントに灯された明かりすらもひとつ、またひとつと消えていく。
気が付くと、起きているのは我々だけのようだった。
11時には見回りのバイクが回ってきた。
それをきっかけに、ひっそりと飲んでいた私たちもそれぞれ寝袋に潜り込むことにしたのだった。